DR.KIKURAGE / ADVERTISING EXPRESSION GUIDE

ドクターキクラゲ 広告・サイト表現ガイド

「腸活美容」「腸活健康」「免疫向上」「医食同源」は使えるのか。根拠法令、判断、代わりの表現、実際の処分例をまとめました。

対象:Webサイト・パッケージ・SNS・店頭POP・チラシ 商品:生きくらげ/乾燥きくらげ(一般食品) 作成:佐々木商会 2026年11月6日

SUMMARY

結論

免疫向上使えない

体の機能を高めるという「医薬品的な効能効果」そのもの。消費者庁の留意事項でも名指しで例示されています。

腸活健康商品には使えない

「腸活」の語自体は違法ではありませんが、商品と結びつけると「腸内環境を整える」という保健の用途の表示になり、許可・届出のない食品では出せません。

腸活美容使えない

上記に加えて「美容」効果は体の変化を約束する表現。食品で美容・美肌をうたうのは薬機法上NGです。

医食同源理念の文脈のみ可

ことわざ・考え方であり、それ自体は効能表示ではありません。ただし商品説明や商品名の近くに置くと「食べれば効く」の暗示になります。

ドクターキクラゲは一般食品です。言えるのは「栄養成分の事実(出典つき)」「食材としての事実」「食べ方」まで。体に起きる変化(効く・整う・高まる・美しくなる)は、どんな言い回しでも言えない、と覚えておくと判断に迷いません。

01 / PREMISE

前提:きくらげは「一般食品」

食品が体への働きを表示できるかどうかは、国の制度上の区分で決まります。きくらげはどの許可・届出も持たない「一般食品」なので、機能や効果を表示できる枠に入っていません。

特定保健用食品トクホ・国の個別許可

「おなかの調子を整える」など、審査を通った表示だけ可。

許可表示のみ可
機能性表示食品消費者庁へ届出

科学的根拠を届け出た機能だけ表示可。「免疫」は現時点でごく一部の届出例のみ。

届出表示のみ可
栄養機能食品規格基準型

ビタミンDなど決められた栄養成分について、定型文(例:骨の形成を助ける)だけ可。

定型文のみ可
一般食品ドクターキクラゲはここ

体への働きは表示できない。栄養成分の含有量など「事実」の表示は可。

機能・効果は表示不可

「栄養豊富」「ビタミンDを含む」「食物繊維が多い」のように、成分の含有という事実を言うことはできます(基準値あり。後述)。「免疫」「腸」「美容」のように、体の側で何が起きるかを言った瞬間に、別の区分の話になります。

02 / LAWS

関係する3つの法律

食品の広告表現は、主に次の3つの法律で見られます。1つの表現が複数の法律に同時にかかることも普通です。

薬機法(医薬品医療機器等法)第68条承認前の医薬品等の広告の禁止 + 昭和46年厚生省通知(いわゆる「46通知」)

医薬品として承認されていないものについて、効能効果を広告してはならない、という規定です。食品であっても、次のような「医薬品的な効能効果」を表示すると、その食品は未承認医薬品とみなされます。

  • ① 病気の治療・予防を目的とする効果(例:便秘が治る、風邪を予防)
  • ② 身体の組織機能の一般的な増強・増進(例:免疫力を高める、老化防止、疲労回復)
  • ③ 効能効果の暗示(医薬品的な名称、成分の説明、起源・由来、体験談、医師の談話の引用など)

罰則:2年以下の懲役または200万円以下の罰金(法人も処罰)。2021年8月からは課徴金制度(対象期間の売上額の4.5%)も導入されています。食品でも書類送検・逮捕の実例があります(後述)。

健康増進法 第65条誇大表示の禁止

食品の「健康の保持増進の効果」について、著しく事実に相違する表示や、人を誤認させる表示を禁止しています。消費者庁は「健康食品に関する景品表示法及び健康増進法上の留意事項」で、免疫力を高める、腸活などの表現の扱いを具体的に示しています。

措置:勧告 → 命令。命令違反は6か月以下の懲役または100万円以下の罰金。

景品表示法 第5条・第7条優良誤認表示の禁止 + 不実証広告規制

実際よりも著しく優れていると誤認させる表示を禁止しています。消費者庁から表示の裏付け資料を求められると15日以内に「合理的な根拠」を出す必要があり、出せなければ違反と扱われます。「免疫を高める」などの処分例は、ほぼこの規定です。

措置:措置命令(事業者名と内容を公表)、課徴金納付命令(対象売上の3%)。

03 / JUDGEMENT

各表現の判断と理由

免疫向上使えない
該当する規制
薬機法68条(46通知の②「身体の組織機能の一般的増強・増進」)/健康増進法65条/景品表示法5条
理由
「免疫力を高める」「免疫機能の向上」は、消費者庁の留意事項で、疾病の治療・予防を目的とする効果の例として明記されています。言い換え(免疫サポート、免疫ケア、カラダのバリア)でも、免疫に働くという趣旨が伝われば同じ扱いです。機能性表示食品でも「免疫」の届出が認められた例はごく少数で、届出なしの一般食品では道がありません。
処分例
「免疫を高めるブロリコ」(2019年)、「マクロ元気」(2021年)に消費者庁が措置命令。いずれも免疫に関する表示が優良誤認とされました。
代わりに言えること免疫という言葉を外し、成分の事実だけを出典つきで示します。
  • 「乾燥きくらげ100gあたり ビタミンD 85.0μg」(文部科学省 日本食品標準成分表)
  • 「ビタミンDを含む食材です」
腸活健康商品には使えない
該当する規制
健康増進法65条/景品表示法5条(保健の用途の表示)。「便秘」「お通じ」に触れると薬機法68条(46通知の①)も
理由
「腸活」の語そのものは違法ではありません。しかし商品と結びつけると「腸内環境を整える」「おなかの調子を良くする」という保健の用途を示すことになり、これはトクホ・機能性表示食品の許可・届出表現にだけ認められているものです。2022年12月の留意事項改定で、消費者庁は「腸活」などのキャッチフレーズ型表示を健康保持増進効果の表示例として明記し、語を変えて逃れる手法を塞ぎました。
よくある誤解
「腸活をサポート」「腸活習慣に」のようにぼかしても、商品で腸に良いことが起きると読める以上、保健の用途の表示です。
代わりに言えること腸ではなく、食物繊維という成分の事実を言います。
  • 「乾燥きくらげ100gあたり 食物繊維 57.4g」
  • 「食物繊維が豊富な食材です」(強調表示の基準値 6g/100g を満たす)
  • 「食物繊維は腸内細菌のエサになることが知られています」のような栄養学の一般知識は、商品の効果と切り離して書けば可
腸活美容使えない
該当する規制
薬機法68条(46通知の②。美容・美肌は身体の変化の標ぼう)/健康増進法65条/景品表示法5条
理由
「腸活」の問題に加え、「美容」は人の身体を美化する効果の標ぼうで、食品が言えば医薬品的効能効果とされます。「美肌」「若返り」「老化防止」も同じです。痩身・美容系の健康食品は処分の件数が最も多く、2023年には1億円を超える課徴金納付命令も出ています。
よくある誤解
「美容と健康が気になる方に」程度の対象者表現は栄養機能食品などで許容例がありますが、ドクターキクラゲという名称と並べると総合的に効能の暗示と見られるリスクが上がります。使わない方が安全です。
代わりに言えること
  • 「生きくらげ100gあたり 14kcal。毎日の食事に取り入れやすい食材です」(低カロリー表示の基準 40kcal/100g を満たす。乾燥は216kcal/100gなので対象外)
  • 「肉厚で歯ごたえがあり、そのまま焼いても十分おいしい」など食材としての事実
医食同源理念の文脈のみ可
該当する規制
単独では規制対象の表現ではない。商品と結びつく置き方をすると、薬機法68条(46通知の③「効能効果の暗示」)の判断材料になる
理由
「医食同源」は、日々の食事が健康の基本という考え方を表す言葉で、特定の効能を示すものではありません。会社の理念や姿勢を語る文章の中で使うのは問題ありません。一方、商品名「ドクターキクラゲ」や商品説明の隣に置くと、「医」の字と「ドクター」が重なり、食べると体に効くという暗示と受け取られる余地が出ます。広告規制は個々の語ではなく、ページ全体の印象で総合的に判断されます。
使い方のルール
  • 会社サイトの理念・代表あいさつなど、会社の考え方を語る場所に限る
  • 商品ページ、パッケージ、商品名の近く、SNSの商品投稿では使わない
  • 「体に効く」「薬のように」「ドクターがすすめる」など、医療を連想させる語と組み合わせない

商品名「ドクターキクラゲ」について

「ドクター」という語そのものは、通知で名指しされた医薬品的名称(「〇〇薬」「〇〇丸」など)には当たりません。ただし、名称の近くに体への働きを示す語(免疫・腸・美容・健康維持など)を置くと、名称も合わせて「医薬品的な効能効果を暗示している」と判断される材料になります。名称の周りには、栽培地・肉厚・栄養成分の事実だけを置く、を徹底してください。

04 / ALTERNATIVES

使える表現の整理

言えるのは「事実」です。次の4種類に分けて考えると、新しい文章を書くときも判断できます。

① 栄養成分の事実(出典つき)

文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」の値です。「豊富」「多い」と強調する場合は、食品表示基準の基準値を満たす必要があります。下表の成分はいずれも満たしています。パッケージに記載する際は、自社商品の分析値でも確認してください。

成分乾燥 100gあたり生 100gあたり「豊富・高い」と言える基準(100gあたり)言い方の例
食物繊維57.4 g5.2 g6 g 以上(乾燥は該当。生は100kcalあたり基準3gで該当)食物繊維が豊富
ビタミンD85.0 μg微量1.65 μg 以上(乾燥のみ該当)ビタミンDを含む(乾燥)
鉄35.0 mg0.4 mg2.04 mg 以上(乾燥のみ該当)鉄を含む(乾燥)
カルシウム310 mg25 mg204 mg 以上(乾燥のみ該当)カルシウムを含む(乾燥)
エネルギー216 kcal14 kcal低カロリー:40 kcal 以下(生のみ該当)低カロリー(生)

生きくらげの数値は乾燥に比べて大きく下がります。栄養の強調は「乾燥きくらげ」に限定し、生きくらげでは食感・鮮度・産地を前に出すのが安全です。

② 食材としての事実

③ 食べ方・使い方

④ 会社の考え方

言い換え表

使いたくなる表現代わりの表現
免疫力アップ/免疫向上ビタミンDを含む(乾燥100gあたり85.0μg)成分の含有という事実だけを言う
腸活に/腸内環境を整える食物繊維が豊富(乾燥100gあたり57.4g)腸ではなく成分を言う
美容に/美肌/腸活美容低カロリー(生100gあたり14kcal)。毎日の食事に取り入れやすい体の変化ではなく、食材の性質を言う
体にいい/健康にいい栄養豊富な国産きくらげ「いい」は体への働きの約束になる
ドクターがすすめる/医食同源のきくらげ(商品の近くでは使わない)医療の暗示。理念文でのみ「医食同源の考えを大切に」
お客様の声「便秘が治った」「体調が良くなった」(掲載しない)事業者が引用した体験談は広告。事実でもNG
骨を丈夫に/骨粗しょう症にカルシウム・ビタミンDを含む(乾燥)病名・部位への効果は薬機法の典型例

05 / CASES

実際の処分・事件の例

「小さな会社だから見られない」は成り立ちません。処分は事業者名と表示内容が公表され、報道されます。健康食品に限らず、一般食品でも同じ基準で見られます。

2019.11イマジン・グローバル・ケア(東京)措置命令

ブロッコリー由来成分を「免疫を高めるブロリコ」と広告。消費者庁が根拠資料の提出を求めたが合理的な根拠と認められず、景品表示法(優良誤認)で再発防止などを命じた。

出典:薬事法ドットコム(消費者庁発表の報道)

2020.03健康食品の通販会社(警視庁)書類送検

健康食品を「新型コロナウイルス対策」と広告したとして、経営者ら2人と法人を薬機法違反(未承認医薬品の広告)で書類送検。2020年の薬事事犯検挙63件のうち14件がコロナへの効能標ぼう。食品の広告が刑事事件になった例。

出典:日本ネット経済新聞

2021.03マクロフューチャー措置命令

乳酸菌食品「マクロ元気」等について、摂取するだけで免疫力が高まり、疾病の治療・予防の効果が得られるかのように表示。資料が合理的根拠と認められず、景品表示法違反。

出典:国立健康・栄養研究所「健康食品」の安全性・有効性情報

2021 → 2023アクガレージ/アシスト(豊胸サプリ)措置命令 → 課徴金

「簡単に巨乳メリハリボディになる裏技解禁!」などの表示に2021年に措置命令。2023年に課徴金納付命令(1億1716万円、1944万円)。美容・体型系の表示が最も重い処分につながった例。

出典:薬事法ドットコム 違反事例まとめ

2022.12消費者庁「健康食品に関する留意事項」改定ルール強化

「腸活」「妊活」などのキャッチフレーズ型の表示と、体験談・ビフォーアフターなどの「お悩み訴求」を、健康保持増進効果の表示例として明記。語を言い換えて逃れる手法が封じられた。

出典:消費者庁 留意事項(令和4年12月改定版 PDF)/日本ネット経済新聞

2023.06さくらフォレスト(機能性表示食品)課徴金 1億903万円

届出のある機能性表示食品でも、「血圧をグーンと下げる」など届出範囲を超える表示をし、根拠と認められず課徴金。届出があっても言い過ぎれば処分されるという例。

出典:ヘルスビジネスオンライン

06 / CHECKLIST

運用ルール(サイト・パッケージ・SNS共通)

体に起きる変化を書かない効く・整う・高まる・改善・予防・美しく・若々しく・サポート・ケア、はすべて対象。言い換えても同じ。
数字は出典つきの事実だけ文部科学省の食品成分表、または自社の分析値。「豊富」と言う場合は基準値を確認。
商品名「ドクターキクラゲ」の周りは、産地・肉厚・成分の事実だけ「医食同源」「健康」「ドクターのおすすめ」などを隣に置かない。
お客様の声・口コミの引用は体調の話を含めない「おいしい」「歯ごたえがいい」は可。「便秘が」「体調が」「肌が」は不可。SNSのリポストも事業者の広告になる。
病名・部位・症状の名前を出さない骨粗しょう症、便秘、血圧、ダイエット、コロナ、風邪など。
迷ったら公開前に佐々木商会へ確認表現の相談は制作費の範囲で対応します。文章だけでなく、写真・イラストの印象も含めて見ます。
本資料は制作会社(佐々木商会)が公開情報をもとに整理したもので、法的助言ではありません。パッケージ表示や新しい商品カテゴリ(加工食品、サプリメント等)に進む際は、薬機法・食品表示に詳しい行政書士または弁護士の確認を推奨します。

SOURCES

出典